会社の新年度、お子様方の新学期も控えて、そろそろご自宅購入についてご相談されている方も多いのではないでしょうか?!
ネットのポータルサイト等でどこの場所が良さそうなのか、予算はどの程度かかりそうなのか、土地や中古住宅を色々とチェックされたことと思います。
家を買うということは人生にとっても一大イベントで大きなお金が動くにも関わらず、中々、決断に至るまでの情報にはたどり着かないものですよね。
ジョイライフスタイルでは家を買いたい・建てたい方たちの住まい探し、土地探しのお手伝いもさせていただいています。
そして、そのお手伝いの中で感じることは、どの場所に住むのか、ということは家族のライフスタイルと考え方を明確に持って進むのが正解だという事。
「家族と」「安心して」「少しでも広い住まいで」「背伸びをしないで」
シンプルですが、家族が家を選ぶうえでこれまでもこれからもこれ以上のものはないのではないかと、私自身も同じく家族持ちの身として感じています。
そして、以上のコンセプトを以てこれからの家探し・土地探しをしていくうえでお薦めしたいのが、「旧分譲地」の購入です。
始めて聞いた方もいらっしゃるかもしれませんが、今回はこの「旧分譲地」についてお話ししてみたいと思います。
旧分譲地とは
そもそも旧分譲地って何なのでしょうか? 皆さんも分譲地と言えば聞いたことがあると思いますので、まずは分譲地の定義からご説明してみたいと思います。
分譲地とは
「分譲地」とは、いくつかに分けて販売される土地のことを言います。
基本的には、地盤調査が済んでおり、生活に欠かせない上下水道・ガスなどのインフラが整っています。
もともとが田畑や山林だった宅地ではなかった大きな土地を切り開いて新規に分譲地として販売するため、資本のある大手不動産会社や特に沿線をインフラとした電鉄系の不動産会社によって築かれてきた経緯があります。
分譲地には、以下のように明確な特徴があります。
・上下水道などのインフラがきちんと整備されている
・安心感がある
・地盤調査や改良工事が済んでいる。
・一区画ごとの敷地が広く街並みも綺麗で統一感がある。
・道路が広い
・同年代の世帯が集まっている。
ちなみにこれをマンションに置き換えてみても新築当時の分譲マンションと傾向としては類似していますよね。
では、「旧」分譲地とはいったい何なのでしょうか?!
旧分譲地とは
実は「旧」分譲地という正式な名称はありません。
前述のように以前に分譲地として販売された土地の現在の状態のことを置き換えて呼んでいるのです。
そしてここではほとんどの土地にすでに数年または数十年が経過した住宅が建てられており、新たな分譲地として販売されてはいないのです。
では何故、ジョイライフスタイルでは旧分譲地を薦めるのでしょうか?
そのためにまずは「旧」となった分譲地の歴史をたどってみてみましょう。
分譲地の歴史
さてそんな分譲地ですが、いつ、どのようにして生まれたのでしょうか。
調べてみますと、分譲地の起源は戦前にまで遡るようです。
開発の主体となっていたのは電鉄会社。関西では阪急電鉄、現在の東急電鉄が開発した、言わずと知れた高級住宅街の田園調布は有名な分譲地です。郊外まで線路を敷き街を作るという理論が分譲地開発の基礎になっていたのですね。
東京では、以降、成城・目白・駒込・大泉学園・国立などに拡がっていきます。
その後、東急始め、小田急、京王、西武、東急から分離した京急など各電鉄会社の沿線の拡張とともに分譲地は都内近郊部に拡がっていきました。
25区画以上の土地開発を主として分譲地と言うらしいのですが、広さでいうと1haから大規模なものでは350haほどの面積を開発してきました。
分譲地の現在
前述のようにまとまった土地の開発という点ではすでに東京都23区内は新たな分譲地というものはほとんど無い状況となり、都内近郊での小規模な開発が主にハウスメーカー主体で行われています。
旧分譲地をお薦めする理由
これは、前述の分譲地の明確な特徴でお話しした内容がそのまま当てはまります。
・上下水道などのインフラがきちんと整備されている
・安心感がある
・地盤調査や改良工事が済んでいる。
・一区画ごとの敷地が広く街並みも綺麗で統一感がある。
・道路が広い
・同年代の世帯が集まっている。
以上のメリットそのまま引き継ぐ事ができるのが、旧分譲地です。
先日、ある旧分譲地に長らく住まわれている方から売却のご相談をいただいたのですが、この地を離れるよりも離れがたい理由のほうが大きく一時中止となりました。
その理由というのが、コミュニティ間のつながりがとても良好なため、果たして引っ越した先で同様な生活が送れるのかが心配との事。
同じ時期に販売された分譲地では、前述のように同世代で同じような境遇の方(例えば大手企業のサラリーマン家庭など)が同じタイミングで家を建てて住み始めているため、付き合いも古く、親交が深い場合が多いのです。
特に大きな地震があった際の助け合いは心に残っているそうで、その点において他には代えがたいものがあるご様子なのです。
「家族と」「安心して」「少しでも広い住まいで」
といった要素を優先的に考え、既存のコミュニティに溶け込むことに苦痛の無いパーソナリティーがある方々でしたら希望のコンセプトを十分に満たしていると思うのです。
一方で旧分譲地に長らく住んでおられる方々にも大きな悩みがあります。
それは、現在の日本が抱える問題そのものでもあるのですが、人口減少と超高齢社会を迎えたことは旧分譲地においても例外ではなく、例えば鎌倉市の高齢化率は現在約 28%と全国的に見ても高い水準にあります。
中には高齢化率が40%を超えている地域もあり、これまで地域コミュニティを支えてきた自治・町内会では、担い手不足等により、地域活動の継続性が懸念されており、新しい世代を含む多世代が安心して地域に住み続けられるためのビジョン作りと持続可能なコミュニティへの転換が求められています。
ヴィジョンに共鳴でき、持続可能なコミュニティへの転換に協力ができる体制であれば、双方win-winな関係性を構築でき、歓迎もされるのではないでしょうか。
旧分譲地の価格について
そして、4つめの「背伸びをしないで」というコンセプト。
実は旧分譲地の購入といっても更地になっているところはあまり無く、そのため土地の売買というよりも中古住宅の売買という形でこの旧分譲地を購入するという事になります。
そのため土地は分割されているものではなく、販売当時のままの広さであるおおよそ40坪以上の上物付きを購入する形となるのです。
築年数や使い方によってはもちろんそのまま住むこともできるのですが、購入後、リフォームやリノベーションによって自分たちのライフスタイルに合わせた形に変えていくことになると思います。
中には「古家付き」という名称で売りに出されている物件がありますが、これは古家の解体費用を考慮した値引きがあらかじめされている場合がほとんどになりますので、同じ面積であっても値段は安く設定されています。
ただ、すべてがボロ家という事ではなく、構造部の状態などを確認しながら手直しする事も可能ではあります。
その点では、値段とインスペクションやリノベーション費用とのバランスを考えてみると良いと思います。
(古家付き物件の場合は、前述のように建物としての価値は値段に含まれずほぼ土地としての値段なため、売主負担によるインスペクションは無いものと考えてください)
旧分譲地は第一種低層住居専用地域が多く、建蔽率と容積率も40%・80%といったゆとりのあるものがほとんどなため採光も十分で家族と共に理想の生活が送れます。
そんな家は高いに決まっていて予算的に問題外!というご意見もあると思います。「背伸びをしないで」なんてできっこない! と言われるかもしれません。
でも、そういった旧分譲地で特に都内近郊神奈川県の横浜・鎌倉・逗子エリア等においても坪単価40万円から土地付きの中古住宅が購入できる場合があるのです。価格帯としても3千万円前後のものからが可能になるのです。
都内住宅地、例えば最近てがけた世田谷区の上野毛あたりでは同様な敷地面積での坪単価では210万円ほどと3~5倍ほどの差が出てきます。
背伸びをせずに、といった意味もこれでご理解が頂けたと思います。
旧分譲地物件についての取り組みについて
いかがでしたか? 日本の経済発展と人口増の受け皿にもなってきた旧分譲地。その魅力をわかっていただけましたら幸いです。
ジョイライフスタイルでは、旧分譲地での物件について今後はより一層取り組んで行きたいと思っています。
「家族と」「安心して」「少しでも広い住まいで」「背伸びをしないで」
をコンセプトにおいて、皆様のライフスタイルがより一層素敵なものになりますよう不動産と関わってまいりたいとおもっています。