SOHO可能とは。曖昧なSOHO利用をスッキリ解決!

SOHO可能とは。曖昧なSOHO利用をスッキリ解決!

SOHO利用可能。
これを見てはっきりとした内容を把握できる人はいないと思います。
実は、不動産業者でもしっかり把握できる人はほとんどいないのが実情になります。

SOHO利用=住居兼事務所利用が可能なんだなというのは何となくわかるのですが、事務所とはどの程度までのことを言うのだろう、、そこがわかりづらくて借主と貸主の微妙な認識差というのものが出てきます。

今のところ、SOHO利用=住みながらPCなどを使ったデスクワーク主体の仕事場を兼ねるWEBなどのデザイナーさんやライターさんなどの業態がイメージしやすくなっていますが、これはIT化が進んだ現代ならではのものと思います。

一方、そのITが行き渡っている現代ではライフスタイルが多様化したことで様々な仕事、業態が生まれて来ています。
その中では、個人事業をベースとした仕事が増えて、単純なデスクワークにおさまらない業態も増えてきており、仕事場として何事にも程よいバランス感のあるSOHO対応物件に注目が集まってきました。

本来は住居の中で仕事をこなすイメージだったものが、この流れから実質、仕事場としての機能を優先させる傾向に変わってきました。
そして借主の中には、住居用途は全く考えず、実質的に仕事場としてのみ使えれば良い、と考える方が多くいらっしゃるようになってきたのです。

事務所や店舗物件に比べてリーズナブルなコストや内装など手間いらずなことなど魅力的だからです。

実際に物件探しをしたことのある方でしたら経験されたかも知れませんが、いざ物件の問い合わせをしたり、内見した際に自分の使用用途が不可であったり、条件付きでの使用可能となったりしたことがあったと思います。

これはSOHO利用について、前述の借主側と後述するオーナー側との認識差とその認識差の理由が原因だと考えられます。

SOHOに関するオーナー側の認識は、

周辺に迷惑をかけることなく、また自らに迷惑がかからず、お家賃が入ってくる、こと。そうであれば基本的にはウェルカムということになります。

周辺に迷惑をかけるということに関しては、見た事無い人達が出たり入ったりすること遅くまで声が聞こえていたりすることでうるさかったり、ということが通常の住むだけの形態に比べると総じて多くなる可能性が出てきます。
そのために不特定多数の者の出入りは禁止、という制限が加わることになります。

次に自らに迷惑が掛かるということですが、ここがSOHO利用を曖昧にしている最たる原因なのですが、ここには法規上、税務上の問題が関係してきます。

建物の所有者は、建物を建てた際にはこれを登記することになります。
用途が住居なのか、オフィスや店舗など事業用途なのか記録されることになるのです。
そしてこの用途によって、消費税や固定資産税も変わることになるため、物件が住居用であるのにオフィスや店舗として使われていることが判ると不都合となってしまうのです。

そもそも、日本の全土地には、用途地域というものが決められています。
これは、用途の混在を防ぐことを目的としているもので、住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので13種類があります。

例えば閑静な住宅街などは、第一種低層住居専用地域と呼ばれ、低層住宅の良好な住環境を守るための地域として、用途地域の中でも最も厳しい規制がかけられています。
そこでは、階数、高さや床面積などが行政から指定されており、工場などはもちろん、事務所や店舗なども制限されているのです。
以下、ウィキペディアなど参照

一部例外が今回のSOHO利用に当てはまるのですが、それが下記の箇所になります。

『兼用住宅で、非住宅部分の床面積が、50m2以下かつ建築物の延べ面積の1/2未満のもの』

デザイナーズ物件などで、人の出入りがしやすい1-地階にSOHOや事務所区間を設け、上階の半分ほどを住居専用の区画にしている建物を見かけることがあると思うのですが、それはこの用途地域の規制に基づいているのです。

ですので、もしも範囲を超えて事務所利用と認定された場合はそもそも違法な建築物となってしまう可能性があるのです。

ですので、SOHO利用可能であっても事務所契約が出来たり、使用用途も厳しくない物件は、事務所用途に規制が緩い用途地域のものである可能性が高いということになります。

そして、住居系の用途地域では、自ずと規制が厳しくなり、SOHO利用可能とは言え、大半が住居契約となり、入居前には使用用途を詳しく聞かれることになるのです。

ご理解頂けたかと思いますが、これがSOHO利用可能といってもマチマチになり、曖昧になる原因となっているのです。

 

まとめ

実際に物件探しをする際には、これらを念頭にしたうえで、ご自身のお仕事の業態・スタイルを不動産会社に明確に伝えて、それが可能か否かを確認してみてください。
そして、それが明確に伝えられる不動産会社を選ぶことが後々のトラブルを招かないポイントになって来ると思います。

東京都が用途地域の見直しを検討しているなど、今後はその土地の特性にあった使用用途を認め、多様なライフスタイルに答えていく必要性も益々出てくるとは思っていますが、現状においてはこれまでお話しした内容を認識しつつ、soho利用可能な物件を有効にご利用して頂ければと思っています。

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