無垢フローリングを使ったデザイナーズマンションの賃貸について

無垢フローリングを使ったデザイナーズマンション

無垢フローリングを使ったデザイナーズマンション

 

無垢フローリングが叶える、デザイナーズ&リノベーション賃貸の上質空間

「賃貸だから」「リノベーションだから」と妥協するのではなく、素材ひとつで“住む喜び”が変わる――そんな思いに応えるのが無垢フローリングを採用した物件群です。以下、素材の特徴と具体的な事例から、その魅力と注意点を整理します。


素材種類と特徴:無垢材の個性を知る

無垢フローリングとは、原木からそのまま切り出された一枚板を用い、加工が少ない自然素材そのものの風合いを活かした床材を指します。合板や複合フローリング、ビニール床とは一線を画す、肌理(きめ)・木目・温かみのある踏み心地が魅力です。記事では以下の樹種が紹介されています:

杉

パイン

パイン

カリン

カリン

バーチカバザクラ

バーチカバザクラ

オーク

オーク

樹種 特徴・メリット 注意点・デメリット
杉(スギ) 温かくやわらかな足触り。リーズナブルで流通量が多いため、コストを抑えつつ無垢材の魅力を得たい物件に適している。 柔らかいためへこみ・傷がつきやすい。節が多く、表情が個性的で好みが分かれる。
パイン 杉よりも節が少なく見た目に安定感がある。やや硬さもあり、温かみを残しながらも扱いやすい。 杉同様に比較的柔らかいため、重い家具や頻繁な使用での摩耗・へこみが懸念される。
花梨(カリン) 赤みのある美しい色合い。硬さがあり、質感・耐久性ともに高く、経年での風合いが増す。 材料・施工コストが比較的高くなる。色が強いためインテリアとの調整が必要。
バーチ/樺桜(カバザクラ) 白っぽく明るく、優しい木目。北欧テイストなど、クリーンなデザインと相性がいい。 明るい色ゆえに汚れが目立ちやすい。硬さは中程度で、家具の跡などのメンテナンスが必要。
オーク(楢) 木目の美しさ、耐久性ともに優れており、重厚感と上品さを備える。傷に強いため長く使える素材。 重量があり施工がやや大がかりになる。費用も高め。明るさを抑えたいデザインでは色味の検討が必要。

事例から見る、素材とデザインの“調和力”

無垢フローリングを活かした賃貸/リノベーション物件のうち、特に印象的なものをピックアップし、素材使いとデザイン戦略を整理します。

メゾンアンドー

メゾンアンドー

リベルダージュ

リベルダージュ

レトゥリ

レトゥリ

物件名 所在地等の立地・背景 素材・床材の特徴 デザインのポイント
メゾンアンドー(西永福) 井の頭線駅近、渋谷・吉祥寺などへのアクセス良好 杉の無垢フローリング、ソフトカラーの壁 やわらかな肌触り・視覚の温かさを重視。裸足でくつろぎたくなる雰囲気。
リベルダージュ(自由ヶ丘等々力) 築浅デザイナーズ集合住宅 パイン材の無垢フローリング 新しい木の匂いも残る。明るくナチュラルな印象を与える空間。
メゾンブランシュ(等々力) 緑の多い環境、SOHO利用が可能 ウリン材(赤みのある硬木) 白を基調とする内装と濃い床材のコントラストが効いていて、デザインの引き締め役に。
赤坂Kフラッツ 赤坂、都心に近い立地 ナラ材の無垢フローリング モダンで高級感のある質感。白壁 × 黒やスチール素材との組み合わせでクールな印象。
レトゥリ(目黒区東山) アクセス良好、目黒川近辺 タモ材の無垢フローリング、白基調のミニマルな内装 北欧的な素材感の使い方。ナチュラルさとシンプルさのバランスが心地よい。
フェリシティ高輪 港区高輪、分譲マンションのリノベーション 杉の無垢フローリング 都心部ながら、自然素材で包むような“ぬくもり”を重視。ルーフバルコニーなど生活スタイルにも余裕あり。
その他(南麻布スキップフラット、アパートメントクロ洗足等) 高品位な立地/デザイン性を重視 チーク材、杉などを用い、色・質感に変化をつけている 黒建具やディテールで大人っぽい雰囲気を演出。素材の生きる間取り・採光設計が鍵。

無垢材を生かす設計・使い方のポイント

これらの事例から学べる、無垢フローリングならではのデザイン成功要因と注意点を整理します。

  • 光と色との調和
    自然光の入り方を意識した間取り配置や窓の取り方、壁・建具の色とのコントラストが素材の風合いを強調する。白壁 × 濃い床材などの組み合わせで空間にメリハリを持たせるのが効果的。

  • 足触り・感覚のデザイン
    素材の温かみ、素足で過ごす心地よさが住む人の満足度に直結する。柔らかい杉・パインはリラックス系、硬めのオーク・ウリン・タモなどはモダン・高級志向に向く。

  • 耐久性・メンテナンスの配慮
    傷が付きやすい素材は家具配置・可動家具の脚への配慮(フェルト、ラグ配置)、直射日光へ対する遮光などを設計段階で想定する。仕上げ塗装やオイル仕上げなども考慮。

  • 予算とのバランス
    無垢材は材料費+施工費が合板フローリングに比べ高くなりがち。賃貸物件ではコスト回収/賃料との関係を踏まえて、素材選定と仕上げの質のバランスを調整することが鍵。


総括:無垢フローリングの選びが、デザインの“芯”をつくる

無垢フローリングを用いたデザイナーズマンション賃貸/リノベーション物件には、“素材そのものの存在感”があります。木目や色の個性が、内装・家具との対話を生み、空間の性格を決める“芯”になるからです。

読み手・借り手としての視点で言えば、どの樹種・どの仕上げが“自分らしい時間”をつくるか、そしてどのような使い方・手入れならばその風合いを保てるかを見極めることが、物件選びの楽しさにも繋がります。

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